400年以上の歴史を持つ歌舞伎のはじまり
能楽・人形浄瑠璃と並んで「日本三大国劇」と称され、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている歌舞伎(かぶき)は、400年以上の歴史を誇る日本独自の総合芸術です。華やかな衣装、独特の化粧「隈取(くまどり)」、迫力ある演技や音楽など、その表現力は国内外を問わず多くの人々を魅了し続けています。現在では日本を代表する伝統芸能として、東京・大阪・京都など全国各地の劇場で上演され、世界中に熱心なファンを持つ文化遺産となっています。
歌舞伎の起源は、1603年、江戸幕府が開かれた年に京都・四条河原で出雲の阿国(いずものおくに)という女性が「かぶき踊り」を披露したことに始まると伝えられています。男装をした阿国は、当時としては異例の華やかな衣装をまとい、舶来の十字架や大小の刀を差すなど、時代の常識にとらわれない大胆なスタイルで人々を魅了しました。その姿は「傾(かぶ)く者」、すなわち常識を覆す個性や流行を楽しむ人々を意味する「かぶき者」と呼ばれ、歌舞伎という名称の由来にもなっています。
阿国の「かぶき踊り」は京の都で大流行し、やがて全国に広まっていきます。その人気を受けて、同じような踊りを演じる女性たちが現れ、「遊女歌舞伎」と呼ばれるようになりました。しかし、華やかさの一方で風紀が乱れるなどの社会問題も起こり、1629年、幕府はついに女性による歌舞伎を禁止します。
それでも人々の歌舞伎熱は冷めず、今度は若い男性が演じる「若衆歌舞伎」が登場します。美少年たちが演じる妖艶な舞台は再び人気を博しましたが、やがて男色をめぐる問題が起こり、再び幕府による禁止令が出されてしまいました。それでもなお、芸としての歌舞伎を守りたいという人々の強い願いから、成人男性だけによる「野郎歌舞伎」が誕生します。役者たちは若衆でないことを証明するために前髪をそり落とし、髷(まげ)を結った「野郎頭(やろうがしら)」と呼ばれる髪型で舞台に立ちました。これが、現在まで続く男性だけが演じる歌舞伎の伝統の始まりです。
その後、江戸時代を通じて歌舞伎は町人文化の中心として発展し、「荒事(あらごと)」や「和事(わごと)」といった役柄の型が確立。大道具や音楽、衣装などの演出も洗練され、物語性や演技技術が磨かれていきました。明治・大正・昭和の時代を経て、映画・テレビの影響を受けながらも、歌舞伎は常に時代に合わせて進化し続け、今日では伝統と革新を両立する日本文化の象徴となっています。
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